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公開 2015年04月05日  

子育てに困った時のワザ、3R!特別支援教育研究者 野口あきなが伝授

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インクルーシブ教育研究者として、数多くの子どもの指導と、指導員の育成に携わってきた野口あきな先生が、ポジティブに子どもとかかわり、子どもの個性をぐんと伸ばす子育て方法を伝授!

今回は子育てに困った時、悩んだ時に使えるワザ、3Rを紹介します。


はじめまして。野口あきなです。

インクルーシブ教育・特別支援教育研究者として大学で研究を続けながら、これまで300名以上の指導員の育成に従事、過去1,000名以上のお子さまの指導に携わってきました。たくさんの親御さんとも面談をし、悩みや困り事を伺った上で、親御さん自身も楽しみながらお子さまの成長を促していくための具体的な子育て方法をお伝えさせていただいております。

どうしても、周りの子どもと比較してしまう・・・

親御さまからの相談の中で、最も多いものの一つ。それは

「なんでうちの子だけできないの・・・?」

というもの。



“成長のスピードは子どもによって違う“と、頭で分かっていても、心はざわついてしまう。このような思いを、みなさん一度は経験されたことがあるのではないのでしょうか。



でも、安心してください!



成長のスピードは人それぞれですが、必ず誰でも成長します。できるようになることはこれからどんどん増えます。

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子どもが今と未来、幸せに過ごせるために

また、子育てにたった一つの正解などありません。子どもの個性は、一人ひとり異なるもの。だからこそ大切なのは、子どもたち一人ひとりの個性を理解し、その子が今と将来、幸せに過ごせるために必要な環境を整えてあげる、ということではないでしょうか。



とはいっても、

「この子のこの行動が気になる・・・」

「なんで言うことを聞いてくれないの・・・!?」

と、できないことばかりに目がいってしまい、悩みが尽きないことも。そんなママとパパのために、このコラムでは、お子さまを理解し、良い関係性を保つための関わり方や考え方のヒントをお伝えしていきます。

子育てに困ったときのワザ、3Rとは!?

最近こんなことありませんか?

「最近眠れていない・寝付きがわるい」

「自分一人だけで頑張っている気持ちになる」

「自分のための時間を取れていない」

「常に漠然とした不安を感じている」

「子育てに自信がもてない」

「感情的に怒ることが増えた」

一つでも当てはまったあなたに、子育てがもっと楽に、楽しくなる必殺技、3Rをご紹介します。この3Rは、私が親御さんたちに研修をする時にも、最初に必ずお伝えしているポイント。困った時、悩んだ時、辛くなった時に、ぜひ思い出してみてください。

(1)リラックスのワザ! ~関わる大人自身が、心に余裕をもつ~

子育てのワザ!と聞くと、新しい知識を求めがちですが、まず大切なことは、【関わる大人が心に余裕をもち、子どもと関わること】です。



周りの大人のイライラや不安は、どんなに小さな子どもにでも伝わります。イライラすることや不安になること自体は悪いことではありません。人間誰しもそんな時はあります。ただ、イライラや不安をそのまま放っておかず、「最近イライラしているな...」「最近すごく不安だな...」と思ったら、リラックスする時間をとってみることが大切です。また、「自分はこんな時にストレスを感じやすいんだ」ということをご自身で認識しておくことも大切です。

リラックスするためには?

リラックスの方法や選択肢はあればあるほど良いです。また、「時間がない!」と感じる方は5分だけでも大丈夫です。

みなさんは、どんなリラックス方法が思いつきますか?さっそく今夜、お子さまが寝てから、リラックスのワザをつかってみましょう。

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今夜すぐにできそうなものは、ぜひ試してみましょう。意識してリラックスの時間を取ると、きっと今よりも心に余裕ができるはずです。

(2)リフレーミングのワザ! ~別の視点で言いかえてみよう~

「リフレーミング」という言葉を聞いたことはありますか?

私たちは常に、自分の物差しや枠組みのみで物事を見がちです。例えば「この子はしゃべると止まらなくてうるさい子だ」「この子は人見知りで引っ込み思案だ」など、日頃お子さまたちを「こういう子」という風に見てしまいがちです。



リフレーミングとは、その自分の枠組みや物差しをいったん横において、別の視点をもって物事を捉えることです。



例えば、「しゃべると止まらない子」は、見方を変えると、「積極的に意見が言える子」でもあります。また、「人見知りで引っ込み思案な子」は「慎重な子」とも捉えることができます。



ダメなところ・できないところばかりを見てしまいがちですが、そのネガティブな物差しを、ポジティブなところに変えてみましょう!

リフレーミングするためには?

具体的なリフレーミングの例は、こちら!

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日頃みなさんは、お子さまを「どんな子」と思っていますか?その「どんな」を、ポジティブにリフレーミングしてみましょう。きっと、お子さまの良いところや強みが見えてくるはずです。リフレーミングが身についてくると、日頃から自然と、ポジティブに物事をみることができるようになりますよ。



そして実はこれ、お子さまに対してのみでなく、ご夫婦間やご自身にも使えます!日頃ママに対して、パパに対して、イライラしちゃうこと、ありますよね。嫌だな、と思うところも、リフレーミングしてみると、「あ、こんないいところがあるんだ!」と気がつくことができるかもしれません♪

(3)リクエストのワザ! ~一人で抱え込まず、周りに頼んでみよう~

お子さまと二人でいる時間が長かったり、気軽に相談できる人が周りにいなかったりすると、一人ですべてを抱え込んでしまいがちです。そんな時に大切なのが、リクエストのワザ。リクエストとは、他者にものごとを頼むこと。分からない時や悩んだ時は、まずは誰かに相談してみましょう。

だれにリクエストする?

みなさんの周りにはどんな方々がいらっしゃいますか?家族の他にも、地域の相談窓口や電話相談はたくさんあります。

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「相談できる人がいない・・・」と思っても、意外と周りに相談できる人はたくさんいます。一人で抱え込まず、リクエストのワザ、試してみてくださいね。

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子育てに困った時のワザ3R、いかがでしたでしょうか。どれもすぐにできることなのでぜひ試してみてください!



次回は「声掛けのワザ」をご紹介します。お楽しみに!

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